危機感

先進国は史上初めての体験となる供給過多がおこっています。これまで、お客様本位と言いながらお客様本位の企業はほとんどなかった。良いものを作れば売れる時代。良いものを買わないのはお客が悪い。売り手本位の発想でものを作っていた。

危機感

「良いものを安く作れば売れる」と考えて、新製品を売り出して失敗した例は枚挙にいとまがない。
「性能が良いから売れるはずだ」
「機能が優れているから売れるはずだ」
「従来製品の半値だから売れるはずだ」
「どこにもなかった新製品だから売れるはずだ」
「これを使う会社は全国に10万社あるから、そのうちの1割の1万社が買うはずだ」
・・・など言い分を挙げていたらきりがない。

なぜ失敗するかと言えば、お客に買ってもらうために必要な二つの基本機能、すなわちイノベーションとマーケティングを無視してモノを作っているからである。「良いものを安く作る」のではなく、お客が何を求めているかをつかんで、お客が価値を認めて払う価格をつけ、売ってくれる販売店や販売員にとって売りやすくて儲かるしくみを作らなければモノは売れないのである。つまり「売りやすいものを作る」のである。儲かっている企業はすべてお客本位、販売重視の企業である。「良いものを作れば売れるはずだ」と言っている製品本位の企業は、新技術や新製品を開発しても、商売(事業)を成功させることができない。

【「ドラッカーの実践経営哲学」著:望月護】

どこで付加価値を稼ぐか

日本も戦後、八方塞の状態から吉田茂内閣が資源の一点集中を行い、アメリカから輸入した重油を鉄鋼業に集中させ、できた鉄鋼で石炭を掘る機械を作り石炭を増産した。鉄鋼と石炭の基幹産業を柱にほかの産業を再建しその結果、家電、自動車産業成長した。しかし今日、世界の工場であった日本が韓国にとってかわられ、現在は中国、近い将来インドへと移るといわれています。

ドラッカー氏は言う、第2次世界大戦が終了直後、農業比率は60%であったが、現在は3%。製造業でも同じことがおこり、近い将来製造業の就業人口は半分に減ると。印刷会社もアナログの時代は技術力がものいったが、現在ではデジタル化が進み技術レベルは横並び、デジタル化による低価格競争にはいるしかない。アナログからデジタルへ変わると、中国やタイで生産された低価格のものと競いあうしかない時代が来ています。メーカーは、品質での差別化ができなくなり、どこで付加価値を稼ぐかのビジネスモデル作りを変えなければいけない時代に入りました。

我々には危機感が少ない!

会社が倒産しても、世の中に大した影響はでません。しかし、我々にとっては大きな問題です。我々は生きていかなければならないということです。ということを念頭に業務に取り組んで下さい。

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