
貧すれば鈍する

先週、ロシア・プーチン大統領と北朝鮮・金正恩朝鮮労働党総書記の首脳会談が、ロシア東端にあるヴォストチヌイ宇宙基地でありました。
特に軍事分野での協力を視野に入れた両国の急接近で、プーチン氏は北朝鮮の人工衛星開発での技術協力を示唆したそうで、北朝鮮によるロシアへの武器と軍事提供の可能性があります。
そして、同時期にニューヨークの国連本部で国連総会が開催されました。
特にロシアは、国連常任理事国でありながら、その特権を利用した拒否権を行使して国連自体が全く機能していない状態です。
北朝鮮は、核ミサイル開発で経済制裁を受けている国であり、世界からは”ならず者国家と位置づけられています。
その北朝鮮に対して、ロシアが軍事協力を求めているとは本当に呆れた話です。
”ならず者国家”である北朝鮮に助けを求めている現状をみるとロシアの苦しさが浮かんできます。
それにしても、本当にロシアは落ちぶれました。
長い歴史を見れば一目瞭然ですが、第二次世界大戦時にもどさくさ紛れ、日本の北方領土をかっさらっていきました。
1970年代には、アフガニスタンでソ連が強引に政権を取るかと思いましたが、アフガン侵攻後もなかなか取れませんでした。
その後、ソ連は崩壊をした経緯があります。
まさに!その当時と同じ様にロシアの体制はボロボロになってきています。
現在、ウクライナ戦争犯罪の観点から、プーチン大統領は、国際刑事裁判所から指名手配を受けています。
その結果、海外への外交は全く出来ていないのが現状あり、格下の北朝鮮に助けを求めるほどに、力がなくなってきています。
ロシアはダメリーダーの誤った政策で国力がだんだん削がれていっている現状です。
改めて、リーダーの”考え方”の重要性を学びました。
そして、この状況をみて、「貧すれば鈍する」の言葉が頭に浮かんできました。
「貧すれば鈍する」という言葉ですが、貧しくなると毎日そのことを考えるようになり、頭の回転が鈍くなるというような意味です。
そのような状態で、人の言葉を聞いたり、本を読んだりしても、自分の中に響いてきません。
目の前の問題に必死で、視野が狭くなっているからです。
この状態から、広い視野でものごとを判断したり、長期的な視点をもつことは難しい。
そうなるとさらに判断を誤りやすくなり、苦しい状況になっていくことをことわざから教えて貰いました。
また、暮しが貧しくなれば、心までも貧しくなるものだということも教えて貰いました。
そして、リーダーの”考え方”の重要性という点で考えますと、ジャニーズ事務所問題、ビックモーター社問題でも同様ですが、組織的なガバナンス体制の確立が必要不可欠です。
一代で巨大帝国を築きながら、”考え方”が悪くてどこかで掛け違いがあり晩節を汚してしまいました。
しかしながら、自分自身も同様ですが、歳を重ねる程に叱られる機会が本当に少なく成りました。
だからこそ、絶対的な権力者に対しても怯むことなく、忖度もすることなく、苦言を呈して統制出来る組織が必要だと思います。
シューワグループでは、論語と算盤ではありませんが下記の様な組織ガバナンスをとっています。
論語の部分では稲盛塾長からの教えに沿った”考え方”に基づいた経営をしています。
そして、トップに立つ者として、お客様の声と従業員の声しっかりと聞きながら、自らを省み戒められる、謙虚で素直な”考え方”を持った人間を目指しています。
算盤(ソロバン)の部分では、経営チームがあり、役員と本社の各セクションの専門トップが入り、私が誤った暴走しない仕組みとなっております。
同時に、稲盛塾長に教えて貰ったジャームス・アレン「心の中の庭」の手入れのが重要だと思います。
考え方と同様に「こころ」という庭は、手入れをしなければ雑草が生い茂ってしまいます。
つまり、「利己の心」がこころの全てを覆ってしまう事です。
自分のこころに「利他」という美しい草花で飾ろうと思うならば、こころの庭の手入れをしなければなりません。
その場合には、「利己の心」を抑えて「利他の心」を大きくするようにしなければならないと学びました。
独裁者と権力者も同様で、利己的利益ばかりを追求していけば、争いが起こるのは必至です。
利他的な思いやりを持った”考え方”が出来ると、少しは良くなると思いますが、今の世界を見てみると現実は難しいと思います。