探究心とカラー映像

先週、栗山元監督を特集するテレビ番組にて、稲盛塾長と大谷翔平選手のご両名とのエピソードが紹介されていました。
とても感銘を受け成功者の”考え方”の違いを学びましたので、ご紹介したいと思います。
以前から、栗山元監督が稲盛哲学に敬服されていることは有名でしたが、WBC(ワールドベースボールクラシック)大会でも「心。」の書籍の教えを改めて心に刻み込み監督業に生かしたそうです。

—–以下は、栗山元監督談です。
京セラフィロソフィーについて書かれた本など含め、著作はほぼほぼ読んでいます。
日ハム監督時代には「心。」代表作の一つは選手に送ったりしました。
また、稲盛さんの言葉を使わせてもらったりもしました。
シーズン開幕の日は、お猪口にその年のメッセージを入れて水杯で乾杯をしていたんですが、2020年は稲盛さんの「ど真剣に生きろ」という言葉でした。
著作の中では「カラー映像で見えてくるまで思い続けよ」と書かれていて、とても印象的でした。
まだ稲盛さんが若いとき、経営の神様、松下幸之助さんの講演に行ったエピソードがありますよね。
「ダム式経営(ダムをつくって水を貯めておけるような余裕のある経営)をしないといけない」と言われた松下さんに、質疑応答で「どうしたらそれができるのか、その方法を教えていただきたい」という問いが聴衆から飛んだ。
これに対して松下さんは「ダムをつくろうと強く思わんといかんですなあ。願い念じることが大事です」と答えたわけです。
会場には失笑が広がったんですが、その松下さんの言葉に稲盛さんは体に電流が走るような衝撃を受けたというんです。
強く思う。願い念じる。それが大事なんだ、と・・・。
巧いかもしれません。それはあざといとかではなく、大谷という男の持って生まれた人を引き付ける力というか、天性のものでしょうね。
それプラス、彼の探究心や野球に対する姿勢に、みんなほだされてしまう。
まあ、僕もそのひとりかもしれませんが(笑)。とにかく感心しちゃうことが多いんです。—–

数ある逸話の中で、大谷選手入団4年目のクリスマスイブの話がとても印象的でした。
通常の選手たちは、束の間のオフ(休日)であるクリスマスイブでは、家族や彼女と共に美味しい食事やパーティーを楽しむのが普通です。
しかしながら、大谷選手はなんと!夜間の練習場でトレーニングをしていたそうです。
大谷選手がクリスマスイブにやりたいことは、”野球が上手くなること”であり、クリスマスイブを楽しむ概念が全く無いということですね。
大谷選手のメジャートップに向けての成功の陰には、やはり、野球が好きという気持ちと好奇心、この考え方の掛け算が急成長を生んでいると言っても過言ではありません。
その様に考えると、大谷選手は、自分自身の人生プランの中で、短期・中期・長期的に常に色々とやるべき事が明確にあって目標に突き進んでいます。
そして、誰もが不可能と言われた二刀流に対しても!投手としても打者としても活躍して突き進んできました。
両方のポジションでプレーを追求して、今までの常識を覆すような強靭な精神力や探究心があるのでしょうか?。
私のような凡人の、「ボールを飛ばしたい」とか、かっこよくホームランを打ってと望む選手は多いでしょうけど、大谷選手ような一流の人の「どうやったら飛ばせるのかな?」と本気で探究する人とでは中長期的な視点での見方が歴然と差が出ます。
常に夢に向かって創意工夫をして努力して、自分自身の進化発展に取り組んでいることが素晴らしいと思います。
やはり、一流の人はど真剣にカラー映像に見えるまでの”探求心”が中長期的な視点で見ると必要だと感じました!
探究心の中で、何でだろう?これはどうしたらそうなるんだろう?って突き詰めていくことで成長が生まれます。
その土台が野球が「好き」という気持ちと「ワクワク感」だと思います。
・探究心とは・・・好奇心や熱意を持って何かを探求し、理解しようとする精神的な特性であり、探究心を持つ人々は、常に学び続け、問題を解決しようと努力で、個人の成長や発展に不可欠な特性の一つです。
        
もう一度、話を戻しますが、WBC決勝シーンは稲盛塾長の“カラー映像”で見えるまで印象に残っているものはありますか?
と質問がありましたが、WBCの日本代表監督を引き受けたときも、頭の中にはぼんやり映像が浮かんでいたそうです。
やはり、“カラー映像”まではっきりと思い込みながら、信じ切らないと何も答えは出てこないんだ思ったそうです。
あの世界一の感動的な優勝時の大谷選手のマウンドでのガッツポーズでしか勝つ形はない!最後のシーンはあれしかなかった!そうです。
栗山監督は”利他の心”を中心にチームづくりをされていたので、メジャーのダルビッシュ選手など一番乗りにて宮崎キャンプINでチームを引っ張ってくれました。
”利他の心”に力を尽くしたのでチームの目的・意義は根幹におき、栗山監督はジャパンのチームに利他の根を育もうとされました。
ジャパン監督の就任当初から、栗山監督はWBCで日本全体を巻き込みたいと思っていて、利己のために監督をやっている気持ちは一切無かったそうです。
日本の将来の野球のため、日本の子供たちのためという目的と意義を明確にしてから、選手一人ひとりに説いて回ったところから始まっていたとの事。
まさに!稲盛塾長の仰る「動機は善なりか私心なかりしか」であり、あの優勝の感動は本当に純粋無垢のものから大きな反響に変わったと感じました。
そして、史上最強と称されるメンバーを一つにまとめ、士気を高めたのは試合前の「声だし」がありました。
試合前に「さあ、行こう!」で諦めるのが恒例でありました。
米国との決勝を控え緊張感の高まる中、で大谷選手が輪になったナインを前に「憧れるのはやめましょう!」優勝への熱い気持ちを口にすると、ムードは最高潮に達しました。
「侍ジャパン」のチームでは、試合前の「声だし」が選手たちの士気を高めることに成功しました。
リーダー役の選手がそれぞれの熱意を自分の言葉で伝えて、他の選手たちとのベクトル合わせました。
史上最強の侍ジャパンの素晴らしい選手たちですが、個々の力から言えば、メジャーリーガーの選手の力には敵わなかったでしょう。
それにもかかわらず、WBCで優勝できたのはチームとしての力、すなわち一体感がつくり出す力の故だったと思います。
チームの力は「1+1=2」だとは限らないのですね。
一人ひとりの心のあり方次第で、それが3にも4にもなるものなのです。

会社経営でも同様に高い志と闘志のベクトルを合わて、集団を引っ張るリーダーが大きな役割を担うことになります。
また、全員野球、全員経営では、全従業員が自分自身の成長や組織の発展に貢献することができる環境が重要です。
その結果としての、”物心両面の幸福の実現の実践”をして、社員の仕事に対する士気を高め、組織の成長に繋がると熱い栗山監督から深い学びを受けました。
従業員の皆さんも日々大きな夢を描きながら、目標に向かって良い考え方で「探究心とカラー映像」で夢に向かって実現しましょう!

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