
心身統一法

皆さんお元気様です。
早速ですが、”中村天風”という偉人をご存知でしょうか?
1876年生まれの哲学者&実業家で、「心身統一法」の創始者であり、インドからヨガを初めて日本に紹介した人物としても知られています。
有名な話では、松下幸之助さんが弟子入りをして、松下電器(現パナソニック)の思想が作られました。
また、その教えを継いでいるのが稲盛塾長でもあり、京セラフィロソフィの思想が中村天風氏だと知っている人は数少ないと思います。
もちろん、私は旧盛和塾での学びから中村天風氏を知りましたが、日本の名だたる成功者たちが、その生き様と哲学「天風理論」を学びながら、
大きな影響を受けたと言われています。
あの、大谷翔平選手も高校時代から中村天風氏の本を愛読して、野球をする前に人間とは何かの思想を学んだとのエピソードも有名です。
現メジャーリーグでも断トツ人気のスーパースターであり、誰にも好かれる人間性は「天風理論」があったのかもしれません。
そう考えると、多くの先人が直接的にも間接的にも、中村天風氏から大きな影響を受けている「心身統一法」の失意から逆転させる思考は素晴らしいと思います。
その険しい道を切り拓く「天風理論」の真髄を一言で言うと何事も「積極一貫」「ポジティブ思考」「心の態度が常に積極的な人」は幸せになりますよ、という考えです。
中村天風氏は明治、大正、昭和に生きた偉人を共に学んでいきたいと思います。
ここで、神秘に満ちた波瀾万丈な中村天風氏の人生をおさらいしましょう。
—–1876年、東京生まれの中村天風は、大蔵省初代抄紙局長を父に持ち、破天荒な幼少期は、そのヤンチャさから「人斬り天風」と言われていた。
学生時代は英語をマスターし、柔道部のエースとして活躍する文武両道派でした。
そこから一転し、日露戦争の軍事スパイに抜擢され満州で活躍後、無理がたたったのか、肺結核を発病し、そこから人生について深く考えるようになります。
そんな時に、アメリカの自己啓発書に触れ、感銘を受けて渡米されました。
アメリカでは、コロンビア大学で医学を学び、それでも病は良くならない。
ワラにもすがる思いでヨーロッパに渡り、一流の哲学者を訪ねたりするも、答えが見つからず。
失意のなか「日本に帰って死のう」と、帰国を決意されました。
その帰路で、偶然にもヨガのカリアッパ聖者と運命的に出会い、カンチェンジュンガ山麓で修行生活に入ることになりました。
天風は、「もう駄目だ」「どうにもならない」と、しきりに身体の不調を訴えたそうです。
苦痛に叫び悶える天風に、カリアッパ聖者は諭します。
聖者「そんな言葉ばかり使っていると、生活機能が乱れて取り返しのつかないことになる。」
天風「痛いから痛いと言うのです。辛いから辛いというのです。それを言ってはいけないのですか?」
聖者「痛いと言えば痛みが治まるのか? 辛いと言えば辛さが軽くなるのか?」
天風「・・・」
聖者「治らないのであれば、そんな言葉を口にするな。」
天風「でも、痛いものは痛いのです。」
聖者「痛いのは仕方ない。しかし、その後で駄目だとか、死にそうだとか言うな。病気を忘れなさい!ネガティブな言葉によって自分が不幸になることはもちろん、聞いた人までも駄目にしてしまうのだぞ。」
そこで「我とは何か?」と真理を悟り、どれだけ最新の医療でも克服できなかった難病をなんと!ヨガで克服!!されたそうです。
帰国後、ヨガを日本に伝道し「心身統一法」を考案して、「心と体を健康に保つことで、幸せな人生を歩む」この教えは、現代のウェルビーイングにつながる。
また、インドから戻ると、なんと孫文の第二次辛亥革命に協力し、中華人民共和国の最高顧問や、東京実業貯蔵銀行(第百銀行の頭取)などを歴任し、実業界でも活躍していました。
そして、中村天風は43歳で、現在の「天風会」の前身となる「統一哲医学会」を結成し、政財界の実力者に教えを説いていました。
ちなみに、天風の亡き後も後継者が継続している「天風会」は、宗教団体かと思われる方も多いですが、無宗教です。
1968年、91歳で亡くなりましたが、天風の教えと哲学は今もなお、多くの人々に希望と勇気を与え続けています。
中村天風の人生は、困難を乗り越え、自己の可能性を信じ抜いた人間の偉大な方なのです。
やはり、中村天風氏の波乱万丈の人生の当時では、不治の病と言われた「結核からの奇跡的な回復」がヨガ思想で克服して長寿を全うされた逸話は素晴らしいです。
稲盛塾長も善き思いを持っての”考え方”から、潜在意識へと繋げていくイメージが大切だと仰っています。
心の底から信念を持って繰り返すことで、「心身統一法」を広めることで、多くの人々に健康と幸福を広められました。
「心身統一法」のポイントとしては、やはり、ポジティブ思考であって、どんな状況でも、前向きな考え方を持ち続けることが大切だと説きます。
私も含めて人はどうしても、自分自身が好きなので些細な失敗をすると守りに入りがちとなり、ネガティブ思考に陥りがちになります。
中村天風氏曰く、ネガティブ思考は身体にも悪影響を与えるため、意識的にポジティブな言葉や考えを持つようにします。
そして、自己暗示の力によって日々、ポジティブ思考を持って善き思いを潜在意識に刷り込んでいくイメージで心と身体を健康に導きます。
ヨガの原点でもある瞑想を通じて、心を落ち着かせながら、ストレスを解消して”心の庭”の掃除をすることにより、心と身体の一貫性にも繋がります。
「心身統一法」は人間の心は、信念と意志の力で病気さえも克服できることを実践されました。
潜在意識にポジティブなメッセージを送り続けることで、身体もそれに応じて変わっていくので、どんな困難に直面しても、自分の心の力を信じ続けることの重要性を教えてくれます。
日々の生活や仕事においても、前向きな考え方と強い意志を持つことの大切さを再認識させてくれました。
最後に。仕事や人間関係がうまくいかなくなった時、次の言葉を思い出してください。
毎朝目覚めたら「心から生きていることに感謝する。」ということを、今日一日の生命への出発の第一歩とすることだそうです。
来週も、引き続きポジティブな言葉”お元気さま”について考えてみたいと思います。
中村天風 参考動画