
好事魔多し

連日の報道で皆さんもご存じのように、大谷選手の通訳・水原一平氏が、違法賭博問題でMLBドジャースを解雇となりました。
世界を騒然とさせた一大スキャンダルは、新たな情報が出るたびにその波紋を広げています。
20日には、初めて韓国・ソウルでMLB開幕戦があり、大谷選手とダルビッシュ投手の対戦に多くの野球ファンが手に汗して見守った歴史的な試合となりました。
朝のテレビでもこの対決に大注目でしたが、大々的な報道で 「良かった!」と思う直後に米国からのまさか!の違法賭博報道でした。
まさに!登り坂、下り坂、まさか!?の出来事です。
未だに詳細はわかりませんが、23日にはMLBが本格的に調査に入るとのことで、大問題になるのは間違い無く非常に残念でなりません。
この報道より好事魔多し・・・(こうじまおおし)の言葉が頭に浮かびました。
意味は・・・物事がうまく進んでいる時ほど、とかく邪魔が入り、意外なところに落とし穴があるという事。
スポーツ選手史上最高額1000億円強の移籍金(10年契約)でドジャースに移籍をして、先日は素敵な伴侶の奥さまとの電撃結婚がありました。
そして、今季はバッターに専念する中で、試合では今季初戦のヒットが出て、さらに盗塁も決め、勝利を飾っていた矢先の出来事でした。
古来、好事魔多しとはよく言ったもので、今の大谷翔平選手の現状は、まさにそんな状況であり、順風満帆からの青天の霹靂でしょう!
そんな人生の絶頂期とも言えるタイミングでの、水原氏通訳の解雇劇です。
水原氏とは、大谷選手の専属通訳として永く勤めていて、通訳以外のマネージャー的な役割も担っていたようです。
テレビから伝わってくる人柄も、温厚で人当たりの良いナイスガイという感じでした。
その中、通訳を超える関係だった大谷選手も、全幅の信頼を置いていたようです。
その水原氏が、まさかの違法賭博容疑で大谷選手の口座から6億8千万円もの資金を違法賭博の胴元に無断で送金していたようです。 (現在調査中)
水原氏は、当初大谷選手が肩代わりしてくれた的な事を言っていたようですが、その後には撤回し、大谷選手の知らぬまま無断で資金を流用したと語っています。
大谷選手の顧問弁護士も、窃盗容疑で告発したようで、水原氏は自ら「ギャンブル依存症」だと発言しています。
大谷選手はもちろん、通訳の水原氏も有名人で、違法賭博のボウヤー氏なる怪しげな胴元に、いいようにカモにされてしまったのでしょう!
水原氏自身も、年俸7,000万円くらいの報酬を貰っていたようで、人がうらやむ華やかな世界でたくさんの報酬を貰いながらもギャンブルの底なし沼にはまってしまったのですね。
やはり、人間の利己の欲望の深さには改めて驚くばかりです。
そして、最も危惧するのは、これからの調査展開次第では、大谷翔平という世界のスーパースターで、かつ野球史に残る偉大なプレーヤーのキャリアに傷がついてしまうのではないかという事です。
謹慎処分や球団から解雇なんてことになったら、最悪であり人類の損失です。
問題は、本当に大谷選手が知らないまま送金されたかどうかで、知らなければ被害者です。
でも仮に、今まで世話になった水谷氏の苦境を救うため、6億8千万円もの大金をドブに捨てるつもりで肩代わりしたのなら、大谷選手の罪も免れないでしょう。
違法だと知りつつ、資金を貸したのですから人の良い大金持ちの大谷選手なら有り得ない話ではないと思えてしまうのが、怖いところです。
未だに不明な点が多いので、まだまだどうなっていくのか分かりません。
大谷選手の韓国での第2試合での表情を見る限りでは、大谷選手は純然たる被害者であると信じたいのです。
とにかく、大谷翔平のこれからの活躍に水を差すような事にならないように、祈るばかりです。
そして、最後に今回も稲盛塾長の「成功さえも“試練”である」の言葉がはまりました。
—–私は、「試練」とは、一般的にいわれる苦難のことだけを指すのではないと考えています。
人間にとって、成功さえも試練なのです。
例えば、仕事で大成功を収め、地位や名声、財産を獲得したとします。
人はそれを見て、「なんと素晴らしい人生だろう」とうらやむことでしょう。
ところが実は、それさえも天が与えた厳しい「試練」なのです。
天は成功という「試練」を人に与えることによって、その人を試しているのです。
いわば人生は、大小様々な苦難や成功の連続であり、そのいずれもが「試練」なのです。—–
今回の大谷選手の事案も水原氏とは長年の信頼関係があり、家族ぐるみの付き合いでした。
そんな身内同然に信頼をしていた水原氏からの災難もありますが、大成功の裏の落とし穴にハマってしまいました。
これも人生で織りなす「試練」を真摯に受け止めなければいけません。
どんな困難にも真正面から立ち向かいながら、さらに精進を積むことが必要であり重要です。
これからは、特に巨額マネーを目当てに妙な輩が寄って来ないとも限りません。
どんなに成功しても”謙虚にして驕らず”さらに真摯に受け止めて、さらに努力を重ねる。
我々の人生は、苦難や成功をどのように受け止めるかによって大きく変貌していくことを稲盛塾長は教えてくれています。
人生は、成功や苦難を織り込んだ「試練」に遭遇しても、決して自らを見失わないようにしなければなりません。
そのように日々のたゆまぬ”謙虚さと素直さ”を持って研鑽に励むことによってのみ、人間は大きく成長していくことを学びました。