共に心高め、共に命に感謝

6月8日(土)と9日(日)に、旧盛和塾・大和で一年に一度の合宿が京都市右京区妙心寺で開催されました。
とにかく広い妙心寺の境内は約10万坪あり、東京ドームにして7個分ほどの敷地面積があるそうです。
妙心寺という稲盛塾長にとてもご縁のあるお寺での勉強会でした。
セラミック人工関節で、新聞雑誌から認可を受けていないと非難を受けた時に、ご相談をしたのが、妙心寺派・西片老師です。
その時の有名な逸話が、下記の通りです。

西片老師を訪ねると、「それは稲盛さん、生きている証拠です」。
つまり、「生きているから、そういう困難に遭遇するのです。死んでしまったら、そんな困難にも遭遇しません。生きている証拠ですよ」と話されたそうです。
西方老師の考え方を詰めると、過去に自分が積んできた業が、今、結果となって出てきたものです。たしかに災難に遭って大変かもしれません。
しかし、業が消えたのですから考えようによってはうれしいことではないか、命がなくなるようなことであれば困るが、新聞雑誌に悪く書かれた程度で済むなら、嬉しいことではありませんか。むしろお祝いすべきです」
というような心の持ちようをなさるのです。 逆境だと思っても前世や少し前にできた悪いつきものがとれたと考えればよいのです。いつまでも、くよくよと悩むのではなく、深く反省して未来を見つめ、新しい一歩を力強く踏み出すことが大切です。
そうすることでこそ、現在の困難を無駄にすることなく、将来に向かう糧にすることができるのです。」
その時に塾長はハッとされて、慰めて貰おうとした考えを恥じられたそうです。
その後、平成9年には、稲盛塾長は得度をされました。
との・・・深い話の逸話です。

少し、前置きが長くなりましたが、塾長とご縁の深い妙心寺での学びとなりました。
合宿のテーマは、「共に心高め、共に命に感謝」。サブタイトルが、「フィロソフィーの持つ偉大な力を信じる」です。
今回の参加者は、大和メンバー128名、中国塾生39名の計167名で、皆と一緒に学びを深めました。
9日の朝6時から始まる座禅では、姿勢を正して精神の瞑想と息を整えてきました。

ところで、妙心寺の雲龍図は、江戸時代初期の狩野探幽氏が、368年前に実に8年の月日を費やした55歳の時の作品で天井の作品は圧巻でした。(別紙参照)
仏教では、龍は仏を助ける存在とされており、一説には天井画には「仏の教えを雨のように降らす」という意味が込められているそうです。
雲龍図は、目が絵全体を囲う円のほぼ中心になる構図で、この画法は「八方睨み」と呼ばれ、どの位置から天井を見上げても龍と目が合うようになっています。
そして、共に心高めの学びとしては、無功徳(ムクドク)がありました。
あまり、聞きなれない言葉で私も始めて聞いた言葉でした。
仏教では、善い行いをした報いを功徳(くどく)と言いますが、しかしながら、見返りを期待した、打算的な行いに功徳はありません。
そして、善行にも、自ら言いふらすと値打ちが無くなってしまいます。
「無功徳」なる言葉は、そうした下心の無い功徳を意味するのだそうです。
その事例として、村越老師からの学びとして65歳で大成された稲盛塾長が、得度されて冬の寒い時に落ち葉拾いを街中でしていた時に初老のお婆さんが、
これで、暖かいものでも飲んでくださいと100円玉を一枚くれたそうで、”無功徳”の喜びだと仰っていて、その100円のことを幸福の100円玉と言われていたそうです。

日々、35000回の判断をしている人間の行動のほとんどには、目的や理由があります。
普通の生活に慣れた我々人間は、親切にしたときも心の片隅で見返りを期待してしまいがちです。
豊かな人生を歩むためには、行動そのものに”無功徳”の利他心を持つことの価値を見いだすことだと思います。
仕事を頑張るのも、大切な家族との時間を過ごすのも、それ自体が素晴らしいことであり、そして、人に親切にするのは、その行為自体が尊いのです。
”無功徳”に気づくことができれば、何をしても自然に心が満たされます。
私たち自身が、出来るだけ”利他心”に従って素直に生きることが、幸せに繋がるのだと。
まさに!利他の心で生きることの重要性を学びました。

綺麗な心でグランドデザインを描き、明日からの実践につなげる。
大義をもって公正明大で人として何が正しいのかを常に自問自答を行うことで、今生きているよりも、生かされている使命に命を使うことだと深い学びを受けました。
次週は、合宿からの学びでの、「死生観」を考えてみたいと思います。

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