Do It!
今週は、私生活の話で大変恐縮ですが、ロック界のカリスマである矢沢永吉さん(76歳)(以後は、尊敬の念を込めて永ちゃん)の
大阪城ホールのライブに11月30日妻と楽しんできました。
今年の永ちゃんのテーマ 「Do It!」。
「Do It!」とは、「考える前にやれ」「迷う前に踏み出せ」という完成してから動くという考え方ではない。
極めてシンプルで”ソロデビュー50周年”にふさわしい原点回帰の言葉だと感じました。
年齢も立場も関係ない。
今もこの瞬間に“やるか、やらないか”その覚悟を自分に突きつけるメッセージです。
未完成でも、恥をかいても、今の自分で一歩を踏み出すこと。
50年経った今でも、新しい曲やアルバム作りをされて、今でもステージの最前線に立っているのだと思います。
その精神を更新され続けている。
毎年恒例とはいえ、今年のステージは少し違って見えました。
声がイイ!ステージがイイね!そういう次元の問題ではありません。
ステージに立った瞬間に伝わってくるもの。
「ロックスターとして、今も常に攻めている!!」という空気感でした。
50年やり切った人の“余裕”ではなく、まだ”伝説”ロックスター、男の色気がムンムンとして、
何かを更新しようとしている人の”存在感”と“緊張感”何とも言えない”空気感”が半端なく大きい。
永ちゃんという人となりを語るとき、30億円を騙し取られたり、波乱万丈の人生でどうしても「成り上がり」という言葉が浮かびます。
幼少期の広島時代には、3歳で母が蒸発していなくなり、小2で父を亡くして、極貧生活の中で育った少年。
新聞紙をリュック代わりに遠足へ行き、裕福な同級生にケーキを投げつけられた屈辱を忘れなかった。
普通なら、貧乏を恨み「仕方なかった」で終わる人生です。
でも、永ちゃんは違った。
あのとき感じた悔しさを、ただの感情で終わらせなかった。
「絶対に見返してやる」その反骨精神を、未来へ向かうエネルギーに変えた。
ここが一つ目のポイントです。
悔しさ⇒自分に問い⇒行動を変える⇒結果を出す⇒小さな成功⇒いわば、最初の成功スパイラルです。
そして、ビートルズに影響を受けて、ビッグスターを目指して東京へ向かうのですが、夜行列車でシビレを切らして、
横浜で降りて極貧生活をして、楽器ギター楽器店で仲間を募集して、運命的な出会いからCAROLを結成して、一気に時代のスターへ。
しかしながら、人気絶頂で3年解散します。
ここで普通の人は守りに入ります。
過去の成功にしがみつく。
それでも永ちゃんは、またゼロからやり直した。
11月30日大阪城ホールのMCで、CAROL解散後のソロ時代を振り返りながら、最近出てきた写真を見てビックリしたそうです。
「ピチピチのエナメルみたいな服を着てさ、ダサいとか言われても、なんとしてでもビッグになりたかった」と語っていました。
格好悪くてもいい、笑われてもいい、とにかく前へ出る。
その“必死さ”こそが、後の”成り上がりの原点”だったとのことです。
ソロになり、CAROLイメージを壊して、武道館ライブをやりながら、後楽園球場へ立つ。
さらに!永ちゃんは、当時の日本では珍しかった営業手法に手を伸ばします。
①オリジナルグッズ作成。著作権・原盤権の管理。
自分の名前をE.YAZAWAをブランドにし、著作権管理まで含めた欧米的な先見性。歌うだけでは終わらない。
売り方、残し方、広げ方まで考える発想は、完全に「経営者」としての先見の話です。
そして、二つ目のスパイラル。
成功⇒慢心しない⇒構造を学ぶ⇒次の成長へ
普通なら「レジェンド枠」で座ってもいい年齢です。
でも永ちゃんは、声を張り、汗をかき、今の自分で勝負していた。
過去のヒットに寄りかからない。
若い頃の自分にも寄りかからない。
ここで、私ははっきり思いました。
永ちゃんは、ずっと“モノ”から“コト”へ「スパイラルミックス」を回し続けている。
悔しさで始まり、成功し、学び、また自分を壊し、次へ進む。
だから、いつまでも古くならないですし、今も最前線に立てて渋さに磨きがかかっている。
これを、私たちの仕事に置き換えてみるとどうでしょうか?
若い頃、理不尽な思いをした。
評価されなかったし、とても悔しかった。
あの感情は、実は人生で一番“純度の高いエネルギー”です。
でも、自然と大人になると、自分自身で天井を決めてしまい”ガチ”となります。
そして、目先の仕事に追われてしまって挑戦を忘れている現実があるのでないでしょうか?
自分自身の立ち位置に納得をして、立場ができて、若い頃の根本の悔しさに出会わなくなる。
根本としては、楽ですが、同時に“成長の燃料”が減る瞬間でもある。
だから、大事なのは、もう一度、自分に問いを投げることであり、今のやり方に甘えていないか?
そして、安全なところへの守りに入っていないか?
これこそが、仕事における「スパイラルミックス」だと思います。
いろんな悔しさを力に変えて、今まで無かったものを仕組みに変えて、年齢を言い訳にせずに、常に自分自身を更新する。
成り上がりとは、一度に上に行くことではありません。
何度も何度でも、くじけながらも再度、立ち上がりながらも自分自信を超え続けることだと、
再度!大阪城ホールで、その答えを見た気がしました。
先週からの”暗黙知と形式知”の学びでもありましたが、永ちゃんは、”知的バーバリアン”の方だと確信しました。
この50年もの月日が、男の魅力が増しているのだと深く感銘を受けました。
永ちゃんは言葉で教えません。
生き方!や生き様!で示してもらっています。
皆さんも再度!日々の仕事の中で、常に「スパイラルミックス」循環をしっかりと回していきましょう!