
記録より記憶に残る人間力

先週、皆さんもご存じのミスタープロ、野球界・長嶋茂雄さんが、89歳で亡くなられました。
謹んでお悔やみ申し上げます。
まさに!「野球の年齢」でその生涯を終えられたように感じて、私は胸が熱くなりました。
昭和時代の巨星であり、偉大なスターが、この令和の夜空からスーッと消えてしまったような感覚です。
私の心にもぽっかりと穴が空いたような喪失感に包まれました。
今週は、長嶋茂雄さんの生き様から“偉大な方”スーパースターとしての「記録より記憶に残る人間力」を学びたいと思います。
私たち世代より少し前の諸先輩時代は、「巨人・大鵬・卵焼き世代」にとって、長嶋さんは昭和時代の大好きなヒーローでした。
「巨人軍は永久に不滅です。」という伝説の引退スピーチに、当時映像を見てどれだけ多くの人が涙したことでしょう!
その当時では、常勝・巨人軍を王さんと共にONコンビとして引っ張りV9連覇を達成されました。
そして、私たちの世代では、むしろ「巨人軍の監督・長嶋茂雄」のイメージの方が強いかも知れません。
伝説の背番号3のユニフォームを試合前の守備ノックからでも圧倒的なオーラで華やかさと凛とした品格がありました。
長嶋さんがこの国に残してくれた「記憶」は、今でも私たちの心に輝き続けています。
長嶋さんは、スーパースターなのに、どこか“憎めないエピソード”があるところがあり、それが「人間的な魅力」です。
そんな中でも、私が大好きな数々の”伝説”の中でも長嶋さんらしい「成長マインドセット」と「プラス思考」の観点から
2つをご紹介したいと思います。
伝説1)長嶋選手時代のデビュー戦の「三振」にまつわるエピソードです。
注目の立教大学からプロ初試合で、相手は当時のスーパースター投手・金田正一選手。
結果は、まさかの4三振。
普通なら肩を落としてベンチに戻るような場面ですが、長嶋さんは笑顔でこう言ったそうです。
「いやあ、すごい球だったよ!また打席に立つのが楽しみだ!」この言葉に、周りの選手は驚きました。
通常の選手ならば、デビュー戦での散々結果となれば、落ち込みながらネガティブに引っ張られると思います。
失敗を恐れず、むしろ楽しみに変える力であり、これはビジネスでも極めて重要な考え方だと感じました。
どんなに準備しても、結果が思うようにいかないことはあります。
でも、それを「終わり」ではなく「次の成長への材料」ととらえられる人は、やはり、ただ者ではないスケールの大きさだと思います。
何事にも確実に前に進めて、ポジティブ思考に転換できるのか。
その違いこそが、挑戦を続けられる人と、立ち止まってしまう人の差を生む逆境のピンチをチャンスに変える能力だと感銘を受けました。
そして、もう一つ見逃せないのは、長嶋さんの裏の努力。
理想のフォームをつかむため、鏡の前で何百、何千回と素振りを重ねたそうです。
誰にも見られない時間に、誰よりも自分と向き合う。
あの華やかなスイングは、地味な反復の結晶だったわけです。
今回の新聞やテレビ報道にも、長嶋さんの選手時代の一番使われている写真が、三振時のヘルメットが飛んでいる写真を見たことがあると思います。
その三振の画を見栄えをよくする為に、あえて大きめのヘルメットをかぶっていたとされています。
「ヘルメットが打席でスイングしたときや走り出すときに落ちると格好いい」「その瞬間が写真やテレビに映える」という理由です。
昭和時代の単なる偶然では無くて、お客様への目線を持っての“演出”として行っていたという実話です。
私たちの仕事でも、成果という「表舞台」の裏には、日々の準備や学びがあります。
一つ一つは目立たなくても、その積み重ねが信頼となり、結果につながる。
伝説2)伝説の置き去り事件
有名な話ですが、長嶋さんといえばスーパースターでありながら常に真剣ですが、どこか“超天然”で、そこがまた人々に愛される魅力でもあります。
その象徴とも言える”伝説”が、東京駅での”一茂置き去り”事件です。
ある日、家族で東京駅に到着して、長嶋家はそれぞれの荷物を車に積み込み、さあ帰ろうというタイミングの時に、
専属の運転手さんが車を出そうとしたところ、長嶋さんがこう言ったそうです。
「よし、みんな乗ったね!出発しよう!」数分後、車が都内を走り始めてから、助手席にいたマネージャーがふと気づいたそうです。
「長嶋さん・・・一茂くん、いないですか?」「えっ!?あっ!!置いてきちゃった!?東京駅に!?」
慌ててUターンして東京駅に戻ったとき、そこには、ホームで大きな荷物を抱えた少年・一茂くんがポツンっと、待っていたんだとか(笑)。
しかも、長嶋さんのリアクションがまた凡人とは違います!
息子に一言、「おい一茂、お前、どこ行ってたんだ!」って、完全に逆ギレだったそうです(笑)。
この真剣さが妙に面白い!
この話だけじゃ無い笑える「抜けっぷり」が、むしろ長嶋さんを“完璧なスーパースター”から、
“みんなに愛される存在”へと押し上げたとも言えるのではないでしょうか?
誰よりも努力家で、誰よりも華やかで、誰よりも周囲に感謝できる。
それでも、ちょっとドジで、ちょっとズレてる。
だからこそ、ただの伝説ではなく、「人間・長嶋茂雄」として今でも語り継がれているのです。
「人に愛されるリーダーに必要なのは、完璧さよりも、“憎めなさ”と“人間味”です。」
シューワGも“長嶋さんのような温かみ”を胸に、チームやお客様との大家族的経営を築いていきましょう。
89歳──野球の背番号のように、まさに“野球に捧げた人生”だった長嶋茂雄さん。
「失敗を恐れず前向きに」「見えない努力を惜しまない」?
この2つが、ビジネスパーソンにとっても、最強の武器になると私は感じました。
私たちも今日から、ほんの少しでも「記録より記憶に残る人間力」 からの「人に記憶されるを意識」してみませんか?
記録ももちろん大事ですが、「あの人のお陰」と誰かの心に残るような一日を積み重ねることが、仕事人生の“本当の価値”だと深く感銘を受けました。