
新NISAについて

先週の社長ブログは、ソクラテスが残した言葉の「無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり」で、「知らなかった」という無知が原因で引き起こされる罪のお話しでした。
さて、月曜日の全体朝礼で私から新NISAの事を少しだけお話しをしましたが、9割以上の方が知っているがやっていない方が大半でした。
皆さんもご存じの通り、日経平均株価は、3万7000円台で推移していて、史上最高値4万888円に更新というバブル期越えの株価上昇に驚くばかりです。
理由の一つには、年初からスタートした新NISAの導入があげられます。
株式投資などで得た利益にかかる税金の一部を非課税にする制度で、今年の1月から大幅に拡充されました。
これによって個人資金が市場に流れ込み、株価を押し上げています。
現状だけを見ると株式投資で儲けた話を多く聞くようになり、株式投資は良いことだらけに見えて、今まであまり投資をしていなかった人が始めたことも要因でしょう。
ただ新NISAの本来の目的は中長期的な視点での投資であり、一時的な株価上昇での利ザヤ稼ぎの短期売買を目的にはしておりません。
人気が高値を呼び、高値が更なる人気を呼ぶという高水準サイクルに入ったともいえる日本株式市場ですが、人気に躍らされず長期的な視野をもつことを忘れないようにしたいものです。
そして、先週の皆さんの週報を拝見すると新NISAについて興味深いとの声が多かったので、ご存じの方も多いと思いますが、改めて簡単に説明をしたいと思います。
先日、ある証券会社の方がご訪問され、新NISAのご説明を受けました。
新NISAの説明文は以下の通りです。
—–新NISA(少額投資非課税制度)とは、日本政府が個人投資家の資産形成を促進し、経済活動を活性化するために始められました。
主な目的は、個人が株式や投資信託などの金融商品に投資する際に、一定の範囲内で利益が非課税となる制度を提供することです。
これにより、個人投資家がリスクを取りながら資産形成を行いやすくなり、資本市場の活性化が期待されます。
新NISAは、日本の経済活性化と金融市場の発展を目指して導入されました。
複利計算では、利子が元本に加算されることで、元本が成長し続けます。
この成長は指数関数的であり、時間が経つにつれて加速度的に増加します。
つまり、初期の少額の投資が長期間にわたって急速に成長し、大きな利益を生み出す可能性があります。—–
まずは、昨年までのNISAと何が変わったのか?ですが、トータル1800万までの非課税扱いが可能という事で、低金利で金融機関にお金を預けていても増えないので資産運用を検討してもらいたいとのこと。
私は、新NISAはまだですが、3年ほど前からS&P500をやってますが、今のところ驚くくらいのぐらいの利回りになってます。
中長期のスパンでの非課税だから嬉しいですね。
新NISAのポイントとは?
・非課税保有期間の無期限化
・口座開設期間の恒久化
・つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能
・年間投資枠の拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能。)
・非課税保有限度額は、全体で1,800万円。(成長投資枠は、1,200万円。また、枠の再利用が可能。)
上記を見ると、これまでの中途半端な40万円からつみたて枠も120万円と大幅に増えて、成長投資枠の240万円も併用できるということで、まとまった資金のNISAでの投資も可能。
これだけの枠があれば、資産形成は充分可能です。
例えば、毎月5万円を30年、年利6%で運用した場合のシミュレーションですが投資金額1800万円に対して最終積立金額が5000万円になっています。
新しいNISAの非課税投資限度額が1800万円なのでちょうど毎月5万円×30年、そして利益の3200万(5000万ー1800万円)に対して特定口座だと640万円の税金が取られます。
しかしながら、NISAだと非課税。ここまで大胆な改革になるとは予想をしていませんでしたが、この改革が10年後、20年後の日本の未来予想図を大きく塗り替えることは間違いないです。
とかく金持ち優遇という批判が起きますが、まさに欧米諸国のように多くの日本人が投資をして、お金持ちにする優遇制度です。
その裏には何があるのか?
ここからは、私の独自の見解です。
2年ぐらい前にも大きな話題となりましたが、老後資金2000万円問題が大きく取り上げられました。
今の年金制度では、国が持たなくなるのが目に見えています。
以前にもお話をしましたが、現在の年金制度では500万円の年収だった方のおおよその給付金は月額15万円だそうです。
これからの日本の平均寿命は100年時代となり、私の団塊ジュニア世代では65歳からの支給が75歳ぐらいからに間違いなく延長となり、しかも、今の月額15万円よりも減額される予感がします。
平均寿命を調べると昭和40年67.7歳、昭和60年74.9歳、現在84歳、これから医療の進歩もあり益々長生き時代となります。
ある専門家によると年金制度はそれ自体が平均寿命100年時代の設計では無くて、昔の平均寿命と大きくかけ離れており、若者への負担が大きな社会問題になるそうです。
社会保障制度について誤解している人は少なくありません。
自分が自分のために積み立てるのではなく、その時代に働いている人達が、その時代の高齢者を支える。
これが社会保障の原理原則です。
もはや人口減少、少子高齢化の流れは変えようがありません。
最大の問題は、生産年齢(15~64歳)人口の減少です。
高度成長期の日本は、生産年齢10人で1人の高齢者を支える時代でした。
10年後には、生産年齢2人で1人の高齢者を支えなければなりません。
近未来、生産年齢 1人が、1人の高齢者を背負っていく時代が訪れます。
この様な社会保障制度の過ちのツケを次世代へ先送りしているのですから、年金の破綻は目に見えています。
その挙句、新NISAやiDeCoを奨励して「自分の老後は自分で守りなさい」と仕向けているようにしか見えません。
やはり、そのように考えると個人が将来の年金に依存する代わりに、自己責任で資産を形成する必要性が背景にあるとの話に腹落ちします。
日本は、バブル期を体験しているので、投資に対して痛い思いをした方が多くて、自宅に現金を保管する「タンス預金」が、およそ50兆円があると言われています。
タンス預金をする理由は、「もしものときの為」「投資に不慣れで預貯金の方が安心」という方が多いのでは無いでしょうか?
その「タンス預金」の運用で年金制度の不備をカバーしようと政府がしているように見え隠れしています。
その様に考えると、時代の流れに通りにお金にも自分と同じように働いてもらいましょう!!
「新NISAのはじめての運用セミナー」を証券会社と5月中にも開催したいと思います。
もちろん、会社には利益は入りませんが、これも”物心両面の幸福の実現”へのワクワク施策のひとつとして考えております。
業務多忙で、当日参加ができない方にも、WEB社内報でも見れるようにしたいと思いますので、是非ともお楽しみに!
但し、株式投資には絶対安全はありませんので、個人の判断で投資をお考えください。
次週は、S&P500についても共に考えていきたいと思いますので、宜しくお願い致します!