
9割以上

いよいよ灯油シーズンが幕を開け、当社でも巡回販売が11月から始まりますが、何と、巡回価格が18L税込みで2,000円を上回る勢いとなっています。
灯油のスタート価格だけではなく、ガソリンや軽油を含めて石油製品の価格が軒並み上昇しています。
何故非常事態宣言が終わったばかりなのに、こんなに価格が上昇しているのかを簡単に説明出来ればと思い、発表させて頂きます。
日本の石油製品の実に9割以上は中東諸国からの輸入に頼っているのですが、何故中東諸国ばかりなのかというと、一番の理由は、日本と国交のある国の中で、距離が一番近く、価格が安いことがあげられます。
ただ、中東諸国からの輸入に頼り切っていますので、OPECという石油輸出国どうしの価格カルテルに左右されやすく、量の供給を絞ること、つまり出し惜しみをすることで、意図的に価格を吊り上げることも可能で、事実コロナ禍から回復しつつあるのに、
原油の追加増産を見送ったのですが、まず一番目にこの供給を絞っていることが石油製品の価格が上昇している原因です。
二つ目に円安傾向が続いている為、ドル建てで輸入している石油製品は円換算されると、価格上昇の原因になります。これはアメリカの長期金利上昇などが原因です。
三つ目はアメリカにハリケーンが襲来して、メキシコ湾周辺の石油関連施設が被害を受けて、同じく石油製品の供給がうまく出せなくなり、アメリカでの価格が上昇して、全国の石油製品の価格がつられて上昇しています。
日本で言えば、石油元売の統合・再編が進んでいて、今ではENEOSと出光興産の上位二社だけでシェアの8割を占めていて、こうなると無理してまで価格競争をする理由はなくなってしまう。
そういった理由も上げられます。
さて、じゃあ今後も右肩上がりで上昇するのかと言うと、OPECプラスも新型コロナの変異株などで、感染再拡大を恐れて増産に消極的になっているので、世界的な景気拡大が続けば増産をする可能性も高く、アメリカのシェールオイルという新興勢力の価格を
見据えて増産する可能性も高いので、ある程度まで上がりきれば落ち着くのではないかと思います。
ただ、今の状態が続けば2021年後半から1年間の家計負担はプラス2.8万円増加させると言われています。
一方で日本では何故段階的に毎週小刻みに価格が上がっているのかというと、例えばエネオスでは毎週火曜日から翌週の月曜日までのドバイのSPOTの原油価格を円換算して平均値を取って水曜日に価格決定をして発表しています。
ですので、徐々に、例えば今週はプラス2円アップなどと発表します。
この計算方法は比較的簡単で、為替とドバイSPOTがわかれば週の平均を取ればいい訳で、簡単な換算表を私は計算していますので、来週はどの程度上がるのか聞いて頂ければ教えますので、是非とも活用してください。
ただし、ある程度の目安なので、外れることもありますので、その点はご容赦ください。