「 三度目の緊急事態宣言 」

新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて、4月25日より5月11日までの17日間、東京都と大阪府、さらに兵庫県、京都府など4都府県で三度目の緊急事態宣言が発出されました。
前回の緊急事態宣言の解除から僅か1カ月余りでの発出で、「まん延防止等重点措置」が不発に終わった形です。
菅義総理は、二回目の解除宣言時に「再び宣言を出すことがないように対策をやるのが私の責務だ」と仰っていました。
しかしながら、この僅か1カ月余りで再度の緊急事態宣言に国民や経済産業各界からの不信が増幅しているように感じます。
特に年初からのイギリス型変異株は感染力が強くて広がりやすく、高齢者だけでなく若年層、中年層の重症者も増えているとの事でした。
地元の大阪府では病床が逼迫して、重症病床率が126.8%となっているとの報道があり、既に医療崩壊が始まっているなど深刻さが伺えます。

あまり、批判をすると”評論家”の様になるので、原因他人論的な発言は控えたいのですが、前回の宣言後の傾向と対策が無さすぎると思います。
特に日本政府のコロナ対策である「生命と経済の」両方を同時に軽減することにこだわり過ぎたのではないでしょうか?
”反省と挑戦”ではありませんが、しっかりと国民に向けての一年間の総括をすべきだと思います。
政府主導で始まったGOTOトラベル・GOTOイートも含めての景気回復政策でした。
アクセルとブレーキを間違ったと反省をすべきだと!!
GOTOイートであれだけ煽っておいて、現段階ではお酒はダメ!?あれだけ頑張った飲食を悪者にすることには納得がいきません!!
このままでは、同じ失敗を繰り返すことになります。
三度目の緊急事態宣言で「生命と経済」の両面の施策を政府はハッキリと具現化するべきだと思います。
まさに”国民の命を守る正念場”です。

”反省と挑戦”のもと世界的な成功事例を参照して三度目の緊急事態宣言としてもらいたいと思います。
例えば、イギリスのようにロックダウンを3回も行いながら徹底的なブレーキを踏みながら、少しづつ、解除していく政策も参考にすべきです。
そしてもう一つ、日本政府のこの一年間での最大のミスは、ワクチン外交の失敗です。
人の流れを押えるのも重要ですが、新型コロナウイルスから感染をガードする事が必要だと思います。
中東のイスラエルでは、「コロナ対策優等生」で、人口の54%にあたる500万人がウイルスワクチンの2回の接種を終えているそうです。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、感染者が減っていて去年6月以来10か月ぶりにゼロとなったとの事。
この様に、全世界の成功例を視野に置いた”傾向と対策”が必要であり「生命と経済」の決断が必要です。
東京都・小池都知事は「コロナって”荒馬”みたいなもの。乗りこなすのは難しい。それだけに強力な対策と言うか、法的根拠をもって、あらためて臨んでいきたい」 とお決まりの耳障りの良い「徹底したステイホームを」と語ったようです。

毎日新聞に興味深い”馬についての納得”の社説をご紹介します。
—–古いことわざに「三度目には馬の鞍(くら)も置き合わされぬ」というのがある。
3度目の災難は思ったより早く来るので、逃れるために馬の鞍を置くひまもないというのだ。
略して「三度目は馬の鞍」ともいう。
▲どんないきさつでこんなことわざができたのかは知らないが、2度の災難が起きた原因を取り除かぬままに漫然と時を過ごせばそういうことにもなろう。
で、コロナ感染の急拡大と医療逼迫(ひっぱく)による3度目の緊急事態宣言が迫っている
▲政府は20日に要請のあった大阪府のほか、京都府、東京都にも宣言を発令する方針を固めたという。
2度目の宣言解除にあたって心配されていた変異株によるリバウンドが現実となり、鞍を置く間もなく3度目を迎えることとなった
▲同じく古いことわざに「三度目が大事」「三度目には大事」がある。同じように見えるが前の大事は「だいじ」、後のは「おおごと」だ。
前者は3度目は失敗が許されないとの意、後者は災難も3度目は重大事になるとの意味という
▲感染力の強い変異株では重症化のスピードも増し、重症者に占める若年層の割合も増えているという。
なのに人々のコロナ疲れで、宣言の効果逓減(ていげん)が心配される「三度目」となる。「が大事」「には大事」は、共に的確な警告だろう
▲古いことわざには「三度目は定(じょう)の目」もある。
定の目とは本来出るべきさいころの目のこと。政府や自治体への不満はいずれ帳尻をあわせるとして、今は自らがウイルスの運び手とならぬよう心をくだく時だ。—–

まさに、3度目の災難は思ったより早く来るので、逃れるために馬の鞍を置くひまもないということわざが、ピッタリだと感じました。
丁度、一年前の4月7日「一回目緊急事態宣言」より第4波のうねりが段々と大きくなってきている状況を深刻に受け止めるべきだと。
東京都・小池都知事は「東京には来ないでもらいたい」と言いながら、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、7月の東京オリンピックは緊急事態宣言とは「東京五輪とは関係がない」「東京五輪は開催」と発言。
などと仰っている事が皆さんの利害関係が有るとは思いますが”支離滅裂”に感じ取れてなりません。

「生命と経済」を選択する中で、もちろん一番重要なものは「生命」の他は有りません。
医療従事者の皆さんは、今も懸命にコロナ対策で戦って下さっている状況で、日本政府は医療崩壊をさせない為にも感染対策の徹底と医療体制の拡充で乗り切らなければなりません。
そして、秋以降に国民にワクチンが行き渡るまでは、政府は厳しい現実を直視して、実効性のある戦略を立てることに力を注ぐべきだと強く願います。

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