
大学駅伝に学ぶ。全員の力を如何に結集させるか/共通する現場の運営

今年も正月の風物詩となった第93回(1920年に開催:大正9年)箱根駅伝に参加するシード校11校に漏れた学校による、残り10校枠を競う記録会が先週行われた。箱根の往路・復路出場登録数各校上位10人の合計時間を競うものだが、昨年のように10秒差で出場を逃す事も珍しくはなく白熱した争いになる事から、大学3大駅伝の1つである11月(第1日曜日)の全日本駅伝(伊勢)よりも話題になっている。
全員の力を如何に結集させるか
10月の出雲駅伝含め大学3の大駅伝と言われるが、何故他2大会と違って関東の大学に唯一限定される箱根駅伝が、これほど取り上げられるのか疑問を持たれると思うが、これには娯楽のない時代から始まった野球の東京6大学、甲子園大会にヒーローを見出してブームになった時代、一家団欒の正月に行われる箱根駅伝の応援に盛り上がったものと思われる。
100年近く盛り上がりを失ってない事にも驚かされる。歴史が古く、正月の風物詩として後に各テレビ局が、全面放送化した事でブームが続いているが、近年、男女ともにマラソンの不信がが続きだすと、駅伝の強化策・テレビ局視聴率?の関係か、学生・実業団とも駅伝大会が多く、そこで消耗する選手が多いからだとも言われるようになっている。
関東各校がその箱根駅伝の出場を狙える最後のチャンスがこの記録会である。1秒を争う非常に厳しい大会として毎年、テレビ各局のこの時期の風物詩として、取り上げ降格圏前後の各校の人間模様が取り上げられる事からご存じ方も多いと思います。
今年、前評判で話題となっていたのが、昨年10秒差の11位で参加枠を逃した国士舘大学が、1年間この10秒の口惜しさを糧に切磋琢磨してきたものが、生かされるのか?86回連続で出場を続けてきた中央大学は、出場選手の持ち時間から今年は厳しいと囁かれる上に、キャプテンを4年生でなく1年生を立て望むこの記録会に、焦点をあて取り上げてました。
結果は国士舘大学9位で復活し、中央大学は40秒差で11位で86回連続出場が途切れる事になりました。
国士舘大学の選手全員が腕に『一秒の油断』と書いて望みました。10人で一秒を意識せよという事でしょう。3年前には東洋大学が、同じように『一秒を削れ』とやかましく言ってたのを思い出しました。10人のチームプレーを指す適格な教示だろうと思います。
そんな世界と思ってますが、昨年の青山学院大学の優勝には驚いたものです。10人の選手全員が笑顔で10区間を走りきって優勝しました。下馬評はまだ優勝には届かないと思われてたのにです。この優勝はこれまでと違い、10人全員が自分の記録に迫る全区間1-2記録で走り(これが出来ないのですが)バトンを繋ぐ度に受ける取る選手の自信が安心(練習成果に対する)に変わり、安心をリレー出来た(選手が思えた)初めての大会だったろうと思ったものです。
いわゆる『楽しんで、ワクワク』の精神状態が繋いだ優勝であり、原監督からしたら最高に嬉しい形であったように思います。前例のない事をやり遂げたのですからややもすると勝利を目指す事が、悲痛な顔に見える程みんな頑張るのですが、優勝チームの中でも10人の中には体調悪く順位を落とす者がいても不思議ではありませんでした。
最後に
前職時代の年頭挨拶にも使ったのですが、企業にとって最高の生産性を生み出すにはやはり、全員を『興味を持たせて楽しむ、ワクワクさせる』環境を与えてやり、それを検証しながら、作り続ける、見続けていく事が大切である事をまた思いこさせてくれた出来事でした。
来年の93回箱根駅伝を、是非見てください。優勝候補の青山学院大学と、今年こそはと燃えて打倒青学を掲げる各校の、そんな表情の違いを考えて見るのも面白いと思いますよ。