
『セールス』と『マーケティング』の違いについて

現在「日本は不景気だ」「中小企業の8割が赤字だ」とも言われていますが、なぜ不景気なのでしょうか?
一つには、先進国の供給過多原因とも言われています。
つまり、物が余っている状態ということですね。これは人類史上初めての経験で今までに見た事も聞いた事もない世界が幕を開けたとも言えます。
物が不足していた時代には、生産力を上げる事が皆さんの役にたち、より良いものをより安く作ればよかったのですが、供給力が需要を上回った時、生産力を上げれば上げる程人が要らなくなり、また、価格競争が激化したのです。
第2次世界大戦直後は60%の人が農業で働いていましたが、現在では3%にも満たないそうです。
農業と同じ事が製造業でも起こり、近い将来製造業の就業人口は半分以下に減るとドラッカー氏は予言しています。
人件費の安い国へ製造拠点を移すことにより、大手メーカーの下請けのみを行ってきた中小企業には、非常に厳しい状況がうかがわれます。
皆さんは『セールス』と『マーケティング』の違いについてご存知でしょうか?
最終的には、販売し利益を得ることが目的なので違いが分りにくいのですが、皆さんご存知の様に、エアコン洗浄の様に作ったサービス(商品)を売るのが販売活動で、買ってもらう仕組みを作るのがマーケティングだそうです。
日本の幕末時代(ペリーが浦賀に来航したころ)アメリカの農機具メーカー・マコーミック社の創業者であるサイモン・マコーミック氏が実践された事ですが、貧しく銀行からお金を貸してもらえない農家に対して、高価な農機具を「商品先渡し・代金後払い・分割方式」というリスクを取るという、画期的な販売方法を確立されました。現在では「分割払い」は、当たり前になっていますが、これが販売活動の正反対の考え方をするマーケティングの最初の実践例と言われています。
「買いやすさ」という「買ってもらう仕組み」をつくったことから、過去の蓄えではなく将来の稼ぎから農機具を買うという新しいビジネスもでるが誕生したのです。
マーケティングは「お客様の立場になって買ってもらう事を考える」ことであり販売は「売り手の立場にたって売る」活動であると言えます。
マーケティングにおいて3つの重要なこと
マーケティングは「市場創造(または顧客創造)のための総合活動」とも言えます。
「市場創造」とは「すでに存在しているニーズを満たすこと。また、まだない新しいニーズを見つけ満たしていくこと」だそうです。
マーケティングの活動において重要な物の中に、
- 商品の「差別化」
- 表現の「魅力化」
- 集客の「効率化」
の3つがあるそうです。
キリンさんは、キリンフリーの成功で大きく業績を伸ばされているそうです。
- 他社製品と違い、完全にノンアルコールのビールであること。
- 飲んでも運転できるという魅力があること。
- 0.00%という明確で分りやすいこと。
当初、キリンフリーの構想は社内で反対され非常に苦労されたそうですが、先程述べたような明確なメッセージを打ち出し、また社内での賛同を得て商品化が決定したそうです。
その結果、他社に先駆けてノンアルコールを成功させた事でオンリーワンの商品になり完全にノンアルコールで有るため酒税がかからず高収益商品であり、また高速道路のサービスエリア等にも普及し、低迷していたノンアルコールビールの市場を一気に大きく伸ばすことに成功されました。
物事をなすときには、項目をリストアップし、常に意識する。
マーケティングについては、またの機会により詳しく話をさせた頂きたいと思いますが、マーケティングが如何に大事なことかは、ご理解いただけたと思います。
マーケティングに拘らず物事をなすときには、項目をリストアップし、常に意識する事が重要だと言われています。
発明家の多くは『発明に近道はない、日々の技術の積み上げ、諦めない事が秘訣』と言われます。
改善を行う際も、目的を明確にし、項目をリストアップし、常に意識して、諦めない!
この事を念頭に業務に励んで頂きたいと思います。