11月9日、作家で文化勲章を受章をされた瀬戸内寂聴さんが99年間の人生に終わりを告げ、あの世に召されました。
天台寺の住職でもあった寂聴さんは、結婚、出産、不倫、出奔、作家デビュー、得度など若い時から壮絶な人生を歩まれたそうです。
51歳で仏門に入った寂聴さんの実体験による様々な言葉にはとても説得力があり、多くの方々がその法話に耳を傾けました。

かなり以前になりますが、テレビ番組・金スマに瀬戸内寂聴さんが出演していたのを拝見しました。
寂聴さんは、以前から存じてあげてはいましたが、温和イメージとは違い想像を絶する波乱万丈の人生であったようです。
40代最後に四国巡礼の旅を経験し、それがキッカケで51歳のときにドロドロの人生に終止符を打つために出家したとのこと。
当時の映像では、90歳を超えているとは思えないほど、食欲が旺盛でとてもお元気な方でした。
そして、番組の終わりの方だったと思いますが、「生きるとは?」という質問に対して、
「今は自分を忘れて他人の為に尽くすは慈悲の究極なりで、忘己利他(もうこりた)の精神で生きています」と答えていました。

「忘己利他(もうこりた)」の意味は・・・「自分のことを忘れ、他人のために生きる」ということだそうです。
自分のことは後にして、まず人に喜んで頂く行いをする。そこにこそ、真の幸せがあるという教えです。
信頼関係を築きながら、人脈を作っていくのは「ギブアンドテイク」の思考ではなく、「コントリビューション」貢献の精神が必要だそうです。
見返りを期待せず、自分が相手にとって何ができるのかを常に考えることが重要であり、寂聴さんの笑顔と説得力はこの思想があるのだと感じました。

我々凡人は「自分の人生」を生きることからは逃れられなくて、どうしてもまずは「利己思考」になりがちです。
どんなに他人のために生きようとしても、利己が「自分のため」につながってしまいがちです。
どうしても「自分だけが良ければいい」と考える利己の心と、「自分を犠牲にしても他の人を助けよう」とする利他の心があります。
「利己の心」で判断すると、自分のことしか考えていないので、誰の協力も得られません。
自分中心の考えですから視野も狭くなり、焦って間違った判断をしがちとなります。

ところが、「利他の心」で判断すると「人によかれ」という心ですから、まわりの人皆さんが協力してくれとのことです。
そして、他人への心も視野も広くなるので、正しい判断ができるのです。
より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断すべきですね。
他人を表面的に喜ばすことではなく、その人にどんな「貢献」ができるのか?
このことをわずかにでも意識することが、自分の人生をより良くしていくだと感じました。
人生をより良く生きるために、これからはまず他人のために生きることが、結果的に自分のために生きることにつながるということなのではないかと理解しました。

稲盛塾長も、「利他の心」を大切にしています。
その様に考えますと世の中で、成功された方々は皆さん、利他の心、利他の行いを心がけておられます。
自分の幸せのために努力することは尊いことだと思いますが、しかしながら、自分だけの幸せだと努力の限界があります。
稲盛塾長仰る「利他の帆」をあげて他力の風を頂けるようになると無限の力となります。
つまり、幸せになる努力も無限のループの様に出来るいうことです。
「あの人も幸せにしたい、この人も幸せにしたい」となれば、自分だけでは1個の幸せしかないですが、他人の幸せはいっぱいあり、その分だけまた自分が幸せを感じることができます。

以前にもお伝えしましたが、人を幸せにするにはお金はいりません。
お金を使わなくても人を喜ばせる術は、無限にあることを教えていただきました。
寂聴さんに心から感謝申し上げますとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

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筆者:矢野秀和
シューワグループ
代表取締役