先週は、皆さんも、すでにご存じのように衆議院解散に伴う総選挙は『アベノミクス』を推し進める自民・公明の「連立与党が全体の2/3に当たる317議席を超える326議席を獲得して圧勝」という結果に終わりました。

原油価格下落・業界再編

安倍首相の勝敗ラインは、連立を組む公明党の獲得議席とあわせ、衆院過半数の238議席。目標に掲げていたのが270議席で、自民・公明ともに予想・目標をを大きく上回った数字ということになるでしょう。今回の選挙では安倍首相が『アベノミクス』効果を訴えてきましたが、庶民にまで景気の恩恵が届くのが、いつ頃になるかを期待したいと思います。そのためにも、アベノミクスの経済政策の「第1の矢」の金融緩和、「第2の矢」の財政出動、「第3の矢」の成長戦略という『三本の矢』の効果が見ものですね。

そして何といっても『身を切る政治』をして貰える事を期待したいですね!

原油下落について

そんな中、一か月前の週報でも書きましたが、ここ最近の原油安は歯止めがかからない状態にあります。テレビ・新聞でも連日のように報道されています。そして、この18日には、ついにNY市場での原油先物価格が、1バレル=54.11ドルと、2009年7月以来、約5年5ヶ月7ヶ月ぶりの水準で取引を終えています。現在のドバイ原油価格指標では、6月末時点109.5ドルから本日時点55.35ドルと約半年で約半分の50%以上も急落した計算となる。

原油下落の原因

下落の要因としては、途上国を中心に世界的な経済停滞による需要の減少や、アメリカのシェール革命などが挙げられています。原油価格がずっと下落していますが、この背景には、サウジアラビアと米国VSロシアの闘いがあるようです。原油下落について調べてみると複雑で難しいのですが、簡単に報告すると数点挙げられる。

  1. まず皆さんもご存じの通り、米国がシェールオイルを生産するようになり、OPEC諸国が戦々恐々とし、その対策として掘削に金がかかり一定以上価格を下げられないシェールオイルに対抗して、原油の価格を引き下げ、シェールオイルの開発や生産をさせないようにするための政策だそうです。いくらまで下がると、新エネルギーのシェールオイルが作れないか?を探っているとも言われている。シェールオイルの損益分岐点は、1バレル=40ドル前後と言われているので、それに比べれば現在の原油価格はまだ高く、アメリカがシェールオイル以外の石油に手を伸ばす必要はまだありません。世界的な石油採掘原価の平均は、一説によると5-10ドルとされていて、ロシアや北海など、採掘原価が比較的高い油田は、石油相場が下がって1バレル10ドル前後になると赤字になるそうです。しかし、サウジアラビアの石油は石油採掘原価が10ドルでも十分耐えられるそうです。(この数年の原油価格の高騰により膨大な利益も含む資産があるため)OPEC石油産出国は、現在のところ減産していません。これはつまり価格の「値下り」を容認する流れだとなって、さらなる下げ圧力が強まっている要因となっています。
  2. 世界的景気の悪化。これは説明するまでもないですね。以前に日本も経験してきたことです。景気の悪化によって需要量が減ってきているということです。
  3. あまり知られていないようですが、イスラム国が、不法に占領した油田から原油を輸出。闇原油の輸出も要因の一つで、これも原油価格の下落に拍車をかけることとなっています。そして、根本の問題がウクライナ情勢にあるとも考えられるそうです。現在下、ロシアは、ウクライナ危機に対するアメリカやEU諸国からの制裁への報復措置として、アメリカ・EUからの食料品輸入を禁止。

報復措置としての影響も大きそうですが、流通量の25%が突然入ってこなくなった国内への影響もかなりのもののようで、スーパーには物がない。急遽、アフリカや中国などから寄せ集めているようですが、選ぶというよりはあるものを買うしかない状況のようです。それなのにルーブルの下落があるから物が高い。ロシアのインフレ率は急速に高まり、現在8%。ますますルーブルに力がなくなる。そんな状況に怒ったアメリカよるロシア潰しが始まった感じですね。

風が吹けば桶屋が儲かる

グローバル化された世界というのは、こういうことが起きるということなんでしょうか。シェールオイルで好景気まっただ中のアメリカが、回り回ってシェールオイルによって景気が鈍化していく可能性も・・・。「風が吹けば桶屋が儲かる」シェール革命でアメリカがひっくり返って日本に火の粉が降ってくるような事にならなければ良いともいます。これは一種の『新冷戦時代』だと言っている人もいるくらいで かなり熾烈な争いです。

昨年とは、全くの逆の展開です。あまりにも急激過ぎて、状況がつかみきれておりませんが石油業界にいてる僕達にとって原油価格が下がるというのは良い事です。師走の時期で、慌しくなってきますが、事故の無いように、年末対応お願いいたします。

参考資料

出光、昭和シェル買収へ=来年前半めど、5千億円規模―売上高8兆円、JXと2強
時事通信12月20日(土)7時55分配信

 石油元売り国内2位の出光興産が、同5位の昭和シェル石油の買収に向け最終調整に入ったことが20日、明らかになった。2015年2月にも基本合意書を交わした上で、TOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化することを目指す。買収総額は5000億円規模とみられる。国内需要の縮小が避けられない中、規模拡大で原油の調達能力を強化するとともに経営の合理化を狙う。
 出光と昭和シェルの直近の連結売上高は合計で約8兆円と、首位のJX日鉱日石エネルギーを傘下に持つJXホールディングスの約12兆円に迫る。統合が実現すれば、3位コスモ石油、4位東燃ゼネラル石油(ともに3兆円台)を引き離し、実質的な2強体制が構築されることになる。

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筆者:矢野秀和
シューワグループ
代表取締役