今日は経理という管理部の立場から業務を行う上での基本原則について少しお話をしたいと思います
みなさんも週報メールなど色々な場面で稲盛さんのフィロソフィーなどに触れる機会が多くあるかと思いますが、私も改めて稲盛さんの「実学」という本を読んでみました。

この本のなかで、稲盛さんは経営のための会計学を実践していくために必要な7つの基本原則として挙げています。
1つ目が「キャッシュベースで経営する」、2つ目が「1対1の対応を貫く」、3つ目が「筋肉質の経営に徹する」、4つ目が「完璧主義を貫く」、5つ目が「ダブルチェックによって会社と人とを守る」、6つ目が「採算の向上を支える」、7つ目が「透明な経営を行う」ということです。
これらの原則の中から、皆さんの業務に直結すると思う2つについて取り上げたいと思います。
1つ目が「1対1の対応を貫く」ということです。
これは、経営活動を行えば、必ず、モノとお金が動きますが、その時は、必ずモノまたはお金と伝票が、かならず1対1の対応を保たなければならいないという原則です。
一見当たり前のことかと思いますが、実務としては伝票だけが先に処理されて品物は後で届けられたり、逆に、品物は納品したが、伝票は翌日に発行されることは結構行われているかもしれません。
こういうことが当たり前に許されるようなことになれば、社員の感覚もマヒしてしまい、数字は操作できるものと考えるようになってしまいます。大企業においても、取引先と共謀して
伝票処理だけで架空売上を計上するなんてこともまれに耳にします。
1対1対応の原則を貫くことによって、不正を防ぎ、社内のモラルを高めると同時に、社内の数字を信頼できるものにすることができます。
また、社内でも大口申請というものがありますが、売上と仕入が1対1の対応なることも重要なポイントです。
モノの値段や価値というのは市場の状況や時代によって常に変化します。去年は100円で仕入できたものが今年は200円になっているかもしれません。それを把握せずに、去年と同じ金額で売ってしまっては利益が少なくなったり、場合によっては赤字になったりします。
1対1対応を貫くことによって各自が利益の管理を行うことができ、また、正しい経理処理につながり、最終的にまとめられた数字も会社の実態を正しく反映するものになります。
正しい数字が出ないと、適正な経営判断もできなくなりますので、この「1対1対応の原則」は健全な経営を守るためには必要な仕組みになってきます。

2つ目が「ダブルチェックの原則」についてです。
モノを購入したり、新しい契約をしたり、出張をしたりする場合、社内でも稟議書を作成して上長に承認をもらったり、申請書に上長のサインをもらったりするかと思います。金額などによっては社長の承認ももらったりするかと思います。
これらは社内で行われているダブルチェックの一例ですが、このダブルチェックというは、あらゆる分野で人と組織の健全性を守るメカニズムになっています。
仕事が、公明正大にガラス張りの中で進められるということは、その仕事に従事する人を、不測の事態から守ることになりますし、それと同時に業務そのものの信頼性と、会社組織の健全性を守るものになります。
難しい言い方をしてしまいましたが、人というのはどんなにまじめな人であっても、魔が差してしまい、ちょっと借りてあとで返せばいいと思っているうちに、だんだんとそれが返せなくなってしまい、大きな罪をつくってしまうということもありえます。
それが出来ないようにするというのがダブルチェックのシステムであって、厳しければ厳しいほど、実は社員に罪を作らせない親切なシステムであるということご理解いただければと思います。
会社というのは売上を上げて利益を獲得していかなければ存続していくことはできません。
ですが、資本主義社会というは利益を得るためには何をしてもいいという社会ではありません。
厳しいモラルがあってこそ初めて機能するシステムであると思います。
先ほどお話した「1対1対応の原則」や「ダブルチェックの原則」などの管理システムや会計の考え方は極めてシンプルのシステムかと思いますが、これを徹底することで人として正しいことを追及するという経営にもつながっていくかと思います。
逆に言うと、いく立派な技術力や資金があっても、これらの管理システムがしっかりしていないとどこかで足元をすくわれてしまい、会社を永続的に成長させることはできないかと思います。
2つの原則を例にお話をいたしましたが、経理や総務・人事という管理部門はみなさんに対して口うるさいことを言うことが多いかと思いますが、ガラス張りの経営をして、会社を永続的に成長させていくためには必要なことであり、また、皆さんを守るという意味でも必要だとご理解いただいてご協力を頂ければと思います。
以上です。

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筆者:妙中和哉
日本BCP株式会社
管理本部
経理部長