本日は、「堪忍」について少しお話をさせて頂きます。

『堪忍』する事の大切さ

例のごとく、goo辞書で『堪忍』を調べますと、

  1. 怒りを抑えて、人の過ちを許すこと。勘弁。
  2. 肉体的な痛みや苦しい境遇などをじっとこらえること。我慢すること。忍耐。

とあります。どの世界でも、達人や名人と言われる方で、この道1ヶ月!なんて人はいませんよね?中井部長がされている様な「武道」の世界でも落語の様な「伝統芸能」の世界でも、何十年と厳しい修行を重ねてこられた方のみが、達人や名人の域に達するのだと思います。強靭な肉体を作るのにも、一朝一夕にはできません。厳しい辛い筋トレを繰り返し行うからこそ手に入れられるものです。メンタル的な事につきましても筋肉を鍛えるように、心を鍛えるには、甘えを捨て様々な困難に立ち向かってこそ強靭な精神力が身に着くのだと思います。しかながら同じ事を何年も続けるという事は、並大抵の事ではありません。『隣の芝生は青い』という諺もあるように他の誘惑は数限りなくあります。そんな中でも、何十年と同じ道を歩んでこそ、一つの事を極める事が出来るのだと思います。「一喜一憂」していては「初志貫徹」することは極めて困難であると言えます。途中でやめてしまっては成果につなげる事はできません。登山もそうですが、つらい事があっても耐え忍ぶことによって登頂出来るのです。

堪忍の徳

ところで、皆さんは「鬼平犯科帳」という時代劇はご存知でしょうか?池波正太郎氏の時代小説ですが、実在の人物で火付盗賊改方長官・長谷川平蔵こと長谷川宣以の話ですが、なぜ名が後世に残っているのでしょうか?江戸中期の東北地方で約10万人ともいわれる死者を出した天明の大飢饉の影響で、江戸の町に無宿人や犯罪が急増し、この対策として特別警察である「火付盗賊改方」ができその長官に任じられたのです。そこで長谷川平蔵は犯罪を取り締まるのですが、いくら取り締まっても犯罪が減りません。取り調べを進める中で仕事がないことで盗みを働く事に目を付け、日本で初めてとなる職業訓練所「人足寄場」を設立し、軽犯罪者に対して職業訓練を行ったのです。ところが「人足寄場」手に職をつけた者の再犯が後を絶ちません!手に職を付けるだけでは犯罪は減らなかったのです。幕府のお金を沢山使って職業訓練所まで作ったのに犯罪が減らない。重大な責任問題ですね。困り果てた長谷川平蔵は日本で最初の道徳授業となる「堪忍の徳」を説く事にしたそうです。遊びたい気持ちをを「堪忍」する。怒りたい気持ちを「堪忍」する。この「堪忍」することがどれ程の徳があるのかを説き初めてから犯罪が徐々に再犯者が減って行った

犯罪ですら「堪忍」することで減る

江戸中期の心学者、布施松翁は「堪忍」の徳をたたえて「今日言いたいことを明日まで「堪忍」し酒をのんだり肴を食うたりするも少しづつ「堪忍」し、よい着物を着たいというのも今日一日の「堪忍」と思うて先にのばすのが、おのれに克つということである」と仰っておられます。戦国時代でも短気であったり仲間を信頼しない武将の家は滅んでいる所が多いようです。忠臣蔵で有名な赤穂藩主の浅野内匠頭もちょっとした短気で本人は切腹、お家は断絶となってしまいました。

人は自分に正義があるという時にとても『惨忍』になる

蚊が自分の腕にとまり血を吸っていれば、何の躊躇もなく蚊をたたき殺す人が多いと思います。自分の血を吸っている蚊は悪いやつで、蚊を殺す自分に正義があると思っているから、何の罪悪感もなく蚊を殺す事ができるのです。自分の甘い認識が「堪忍」を許さないという事があるということです。人間関係でも、お互いを許しあう心「堪忍」する事が長く良い関係を保てるのでは?と思います。資格を取るための勉強も簡単ではありません。気力と忍耐力が必要です。

最後に

仕事で疲れた体に鞭を打ち、休みたい気持ちを「堪忍」し勉強するからこそ試験に合格できるのです。仕事でも出来るまでやるからこそ失敗にしない仕事が出来るのだと思います。皆さんも辛い事や困難なことに出合っても、その場から逃げたい気持ちを「堪忍」し、是非自助の精神で立ち向って下さい。自らの力で困難をのり越えた時、精神的にも人間としても大きく成長できる筈です。出来ない理由を並べるのではなく、出来る理由を考えるからこそ知恵が出るのだと思います。「堪忍」は一生の宝という諺もありますが、如何に「堪忍」すること、忍耐ということが大事か改めて感じました。

以上

【参考文献】
「goo辞書」http://dictionary.goo.ne.jp/
「NHK」その時歴史が動いた 2008年2月6日放送
シリーズ江戸時代の危機 後編「天明の飢饉 江戸を脅かす ~鬼平・長谷川平蔵の無宿人対策~」

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筆者:鯉ノ内隆弘
シューワグループ
執行役員部長