本日は、「器」について、ソフトブレーン株式会社創業者の宋文洲氏のメールマガジンを紹介したいと思います。

「器」について

自ら事業と組織を作り、長期にわたって業績をあげるトップは共通点があります。それは「良い人」です。一人二人の人に好かれることなら誰にもできますが、大勢な人、さまざまな立場と価値観を持つ人に「良い人」と思われるのは簡単なことではありません。

「良い人」の定義

それでも多くの人がトップのことを「良い人」だと思う理由はただ一つ。それは器が大きいからです。日本では「器が大きい」というと「優れた人の素地」や「成長の余地が多い」という感覚があります。分かりやすく言えば「大物になる条件を持っている」ということです。しかし、漢字の「大器」とは「様々なものを収納する」という意味です。その器とは腹のことであり、心のことです。「宰相の肚の中を船が走る」という諺があるように、指導者の最も重要な条件は広い心をもって様々な人材や意見を収納することです。

腹の広さ

「三国志」にはこんな話があります。曹操軍が劣勢を挽回し、敵の大本営を敗った後、押収した敵の書類から自軍の将校が敵に送った、投降を探る内容の手紙を多数見付けました。部下がそれを報告し処分を仰いだ際、曹操が「全部焼け」と命令したのです。戦いの真っ最中に敵に投降を探る手紙を送るなんて典型的な裏切り行為です。そんな将校が自分の周囲に居ると分かったら恐ろしいことです。普通は怒り狂って制裁するでしょう。

曹操がそうしないのはその人達に自分の腹の広さをわざと見せたかったのです。ほかのトップはとてもこんなことをしてくれないだろうと思う部下がたくさんいたでしょう。だから魏が戦えば戦うほど勢力が増して最後は天下の盟主になったのです。嫌なことをされても嫌な顔をしない。失敗した部下に対してその失敗を追及しない。

反対意見を言われても静かに聞き入れる。喧嘩しても数時間後にコロッと変わって笑ったりする。そんなリーダーが居たら「良い人だな」と部下が思う訳です。だから様々な有能な人が集まり、安心して頑張れます。

志(こころざし)

ではなぜ良いリーダーはそんなことができるかというと、それは良いリーダーが目的を達成するために我慢しているからです。ではなぜ良いリーダーが我慢できるかというと、それは良いリーダーは目的を達成する意欲がとても高いからです。「志」とは目標への執着心であり、決意です。「器」とは「志」のための道具であり、忍耐力です。曹操も普通に猜疑心、嫉妬心、復讐心があります。手紙を焼いたのは「どんな状況下でも動揺しない部下はいない」と諦めたからです。曹操は、どんな部下を使っても、どんな敵と対峙しても、天下を取りたかったのです。始皇帝は天下のために父親を見殺しにしましたし、家康は領土のために妻子を殺しました。ジョブスは事業のために蝋燭のように命の最後の一滴も燃やしました。

究極の器は自分自身からの脱却であり、自分自身の犠牲でもあります。普通の人はなかなか高い志が持てないのは当然であり、また不必要でもあります。少なくとも私は自信をもって自分について言えます。

「私には志がない」。

・・・これで、メールマガジンは終わりなのですが、このメールマガジンを読んで、「話し上手は聞き上手」と言う言葉を思い出しました。先ず、聞き上手の「聞く」という事ですが、本当に相手の話を「聞く」には、2つの重要なポイントがあるそうです。

  1. 『絶対尊敬』・・・相手の自尊心・プライド・生き様・志を100%尊重する。
  2. 『完全沈黙』・・・湖面に相手の心を映す心境。

最後に

上記2つを踏まえた上で聞き手に徹すると、相手は、心の内を話してくれるそうです。聞くという事はコミュニケーション能力を上げる秘策だとも言われているそうです。私自身、自らのおごりから、相手の話をよく聞けていない事に気付き、また、何と器が小さく志が低かったのかと気付かされました。

有事の際のリスクを最小限に災害時の燃料確保について【BCP対策】燃料の緊急時供給契約専属貯蔵サービス・専属配送サービス

筆者:鯉ノ内隆弘
シューワグループ
執行役員部長