「お母さん、お帰り!」
土曜日の灯油巡回の時でした。いつも通りに雪コンを流しながら巡回していると、前方で空のポリ缶を振って笑顔で大声で叫んでいるご婦人がいました。
『お兄ちゃん、帰ってきたよ!』 私もローリーで近づき、車を降りて、「お母さん、お帰りなさい!」と笑顔で応えました。昨年末、毎週のように灯油を購入されていたご婦人から、少し寂し気な表情で、しばらくは灯油いらないからという言葉を受けました。
私は、その表情と話し方で察して、「お母さん、もしかして入院するの?」と尋ねたところ、『そう、私、癌なのよ・・・』と応えられました。
「お母さん、今、医療は日進月歩で進んでいるよ。昔みたいに癌は不治の病じゃない!ちゃんと治療して、帰ってきて、笑った顔見せてよ!」とできる限りの笑顔で伝えました。ご婦人も少し元気が出たのか、『そうだね。また帰ってきたら、灯油持ってきてね。』と応えていました。
年が明けて、いつも出ているはずの場所にはポリ缶が無い週が続き、そして先週、少し痩せた姿のご婦人が目一杯の笑顔と大声。聞けば、癌のステージも低かったようで、腹腔鏡手術で行い、転移もしていなく術後は抗がん剤も使っていないとのことでした。
そして、年末、入院する前の不安だったこと、私が笑顔で伝えた言葉で救われ勇気が出たこと、そして何より笑った顔を見せたかったことを矢継ぎ早に話されました。
先日、ふと、トルストイの言葉が頭に浮かびました。『一度も病気をしたことのない人間とはつきあうな。』 できれば病気などしたくはありません。
病気になれば、苦しい思いや痛い思いをします。健康な身体が一番です。しかし病気をすることで、その苦しみや痛みを知り、経験することで人の苦しみや痛みが解るのです。
仕事でも同じで、もがき苦しむことが、自身の経験となり、他者が実践した際にどこで苦しむのか、またどこを解消していけば良いのか解ります。
こういうことをトルストイは伝えたかったのだろうと考えると、今は非常に良い経験をさせていただいているのだなと感謝の気持ちに替わります。商品を売るだけでなく、お客さんが喜びを感じてもらえるものも提供し、自分のファンになっていただける、ひいては会社のファンになっていただける。そのような接客を今後も心掛けていきたいと考えています。
お知らせ
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2020年11月01日
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2020年10月13日
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2020年07月28日
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2020年07月28日
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2020年06月22日
新着ブログ
『雪やこんこ♪』でおなじみシューワグループの社長含めた幹部スタッフの熱い思いを募ったオフィシャルブログです。旬なネタやビジネスでの心得、スタッフの体験談や会社での出来事など、幅広く発信していきます。週1~2回の更新を予定しております。
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2021年2月22日
今年の大河ドラマの主人公である“渋沢栄一”の『青天を衝け』が始まりました。 初回の視聴率が20%を超えたとの報道で注目の高さが伺えます。 そ
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2021年2月22日
おはようございます。 2月も残り2週間しか残されてない中で先週の気温の上がり方は非常に私たちにとってダメージが大きい週となりました。 しかし
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2021年2月15日
今年は昨年より多くの早割りからの注文や電話注文をいただいております。コールセンタ-の方々、そこに携わる方々、応援してくださっている他部署の方
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2021年2月15日
ここ最近は、新型コロナウイルスの話題より女性蔑視の失言の話題が多く飛び交っています。 世界内外からバッシングにあった森喜朗元首相が東京五輪・
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2021年2月8日
先週も世界中で様々な出来事がありました。 それにしても、全世界的にコロナ禍で大変な状況にも関わらず、2月6日現在、1ドル105円、原油57ド
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ここ数日も寒さが続いていますが 今はまさに灯油販売の忙しい時期に直面しています。実際に現場でどのようなやり取りが起きているか少しお話させて頂
「お母さん、お帰り!」
土曜日の灯油巡回の時でした。いつも通りに雪コンを流しながら巡回していると、前方で空のポリ缶を振って笑顔で大声で叫んでいるご婦人がいました。
『お兄ちゃん、帰ってきたよ!』 私もローリーで近づき、車を降りて、「お母さん、お帰りなさい!」と笑顔で応えました。昨年末、毎週のように灯油を購入されていたご婦人から、少し寂し気な表情で、しばらくは灯油いらないからという言葉を受けました。
私は、その表情と話し方で察して、「お母さん、もしかして入院するの?」と尋ねたところ、『そう、私、癌なのよ・・・』と応えられました。
「お母さん、今、医療は日進月歩で進んでいるよ。昔みたいに癌は不治の病じゃない!ちゃんと治療して、帰ってきて、笑った顔見せてよ!」とできる限りの笑顔で伝えました。ご婦人も少し元気が出たのか、『そうだね。また帰ってきたら、灯油持ってきてね。』と応えていました。
年が明けて、いつも出ているはずの場所にはポリ缶が無い週が続き、そして先週、少し痩せた姿のご婦人が目一杯の笑顔と大声。聞けば、癌のステージも低かったようで、腹腔鏡手術で行い、転移もしていなく術後は抗がん剤も使っていないとのことでした。
そして、年末、入院する前の不安だったこと、私が笑顔で伝えた言葉で救われ勇気が出たこと、そして何より笑った顔を見せたかったことを矢継ぎ早に話されました。
先日、ふと、トルストイの言葉が頭に浮かびました。『一度も病気をしたことのない人間とはつきあうな。』 できれば病気などしたくはありません。
病気になれば、苦しい思いや痛い思いをします。健康な身体が一番です。しかし病気をすることで、その苦しみや痛みを知り、経験することで人の苦しみや痛みが解るのです。
仕事でも同じで、もがき苦しむことが、自身の経験となり、他者が実践した際にどこで苦しむのか、またどこを解消していけば良いのか解ります。
こういうことをトルストイは伝えたかったのだろうと考えると、今は非常に良い経験をさせていただいているのだなと感謝の気持ちに替わります。商品を売るだけでなく、お客さんが喜びを感じてもらえるものも提供し、自分のファンになっていただける、ひいては会社のファンになっていただける。そのような接客を今後も心掛けていきたいと考えています。